ダウンロードカードで曲を販売するのは受け入れられるのか?

こんにちは。作編曲家のサカモトです。

 

 

春のM3で発売した新譜の「Neo 80’s」がBandcampの方で販売中です。

ちなみに6/1~6/3に開催されるAPPOLOでもアルバムを販売予定です。

試聴もできますので、まだ手に入れていない方はぜひチェックしてみてくださいね!

 

 

今回は、ダウンロードカードで曲を販売することが

お客さんに受け入れられるのかというテーマのもと

僕なりの考察をまとめていきたいと思います。

 

 

この前回ってきたツイートでこんなアンケートがありました。

https://twitter.com/laz_/status/991242490526089216

これを見るとまだまだCD派が強いみたいですね。

なるほど~意外とCDにこだわりを持っている人も多いんだなと思いました。

 

 

僕は、この前のM3(同人即売会)で実験も兼ねて

ダウンロードカードでの販売をしてみました。

 

 

実際販売してみて色々と気付けた点があったので、

まず最初にダウンロードカード(ここではConcaカードをもとに解説)の

メリット・デメリットを書いていきたいと思います。

 

 

メリット

・荷物にならない、置き場に困らない

M3などでCDを買うとほとんどの人がパソコンなどに取りこむと思います。

で、取り込んだ後はとりあえずCD棚に入れるんですが、何年も繰り返していると

棚がいっぱいで仕舞えるスペースがない!という事態に陥ります。

 

 

そういうときにカードならカードケースに入れておけば良いので、

全く場所をとりません。また、小さい分処分するのも楽です。

重くないのも嬉しいですね!

 

 

クリエイター側にとっても生活スペースの圧迫を防げるので、

非常に良いです。

 

 

どちらも100枚分

 

 

・音源提出の納期を気にしなくて良い

CDプレスをする場合、プレス~郵送までの期間が必要になるため

大体2~3週間かかります。

 

 

イベントが月末にある場合は、大体その月の初め辺りには

曲を完成(ミックス、マスタリングまで)させていないと

月末のイベントに間に合わせることが難しくなってしまいます。

 

 

しかし、ダウンロードカードの場合だとクラウド上に

ファイルをアップしておいて、そこからお客さんがダウンロードする

というものなので、イベント前日まで作業していても大丈夫なんですね。

 

 

まず最初にカードのデザインだけ先に決めて、発注しておくことで

カードの現物は確保しておきます。

 

 

それから前日までエディット作業して、クラウド上にアップすれば

イベント当日の販売に間に合うわけです。

 

 

クリエイター的には作品のクオリティアップも図れる上に

精神的にも焦らず済むのでとても助かります(笑)

 

 

・音楽以外も頒布できる

そう…

なんとダウンロードカードなら

音楽以外のコンテンツも頒布することができます!

 

 

クラウド上にファイルをアップするという方式なので、

歌詞カードはもちろんのこと、動画やゲームも頒布することができます。

 

 

僕の場合は同人即売会での販売を目的としていたので、

音源(AIFF版、MP3版、WAV版)、ジャケット、歌詞カードの

3点をアップしました。

 

 

特に歌詞カードは、ページ数による制約がないので

気楽に色々と書けて良いです。

 

 

・ハイレゾ配信ができる

ちょっとマニアックな内容になってしまうのですが、

CDで音源を再生しようとする場合、

44.100Hz-16bitという容量の制限があります。

 

 

24bit以上がハイレゾと言われている容量ですので、

多少音質が落ちてしまいます。

 

 

ですが、ネット経由でファイルを渡すことによって

48.000Hz-24bitでも再生することができます

(ただしパソコンやスマホに限る)。

 

 

最近だとCDプレイヤーで音楽を聞く人は少なくなってきているので、

このような方法でリスナーに届けても問題はないのかなと

思います。

 

 

もし、CDで聴きたいという方がいるのであれば、

44.100Hz-16bitバージョンの音源ファイルを用意しておいて

それをダウンロードしてもらえば良いわけですし。

 

 

デメリット

・CDに比べると見劣りする

実際今回のM3で販売してみて、

カードだと思っていた以上に目立たない

ということが分かりました。

 

 

売り子を手伝ってくれた友人にも

遠くから見たら名刺にしか見えないんだよなぁと言われてしまいましたorz

 

 

実際に「もう新譜売り切れちゃいましたか?」みたいな声も

お客さんに言われてしまいました。

小さいと本当に目立たないですよね。

 

 

所有感という点でもCDに比べて劣ってしまうので、

いざCDと比べるとお客さんの満足度も低いかなと予想できます。

 

 

・曲を取り込むのが面倒

今回のM3で僕も

他のサークルさんのダウンロードカードを購入してみて

気が付いたのですが、

 

 

曲を取りこむまでのステップが長い!

 

 

通常CDの場合だと

CDをパソコンに入れる→iTunesなどで取り込む

で曲が取り込まれるのですが、

 

 

ダウンロードカードの場合は

ダウンロードページのURLを打ち込む→シリアル番号を打ち込む

→ファイルをダウンロード→iTunesに取りこむ→アルバム情報を打ち込む

という様にCDと比べると超えるべきステップが多いです。

 

 

URLを打ち込むのはまだしも、

ダウンロードしたファイルをiTunesのフォルダにいれたり、

アルバム情報を打ち込むのがとても面倒くさかったです。

 

 

CDの場合だとそのアルバムがCDDBに登録していれば、

CDを取り込んだ際に勝手にアルバム情報を打ち込んでくれますから

便利ですよね(CDDBに登録していなかった場合は地獄)。

 

 

リスナー視点に立つと色々と改善点が見えてきますね。

 

 

ではどうすればいいのか[改善案]

ここまでメリット・デメリットを挙げてきましたが、

じゃあどうすればダウンロードカードでもCDと渡り合えるのか

ということについて書いていきたいと思います。

 

 

・CDケースの中にダウンロードカードを入れて頒布する

会場で頒布する場合に限りますが、デメリットの一つ目に

「カードはCDに比べて見劣りする」というのがありました。

 

 

そこで僕は思ったわけです。

じゃあCDケースの中にダウンロードカード入れて

売ったらいいんじゃね?と…。

 

 

例えば今回頒布した新譜の「Neo 80’s」の場合ですと

こんな感じのビジュアルになります。

 

 

やっぱり左のカードだけのものと比べると印象が全然違いますよね。

とりあえず外見は同じにしてしまえば見劣りすることはないと思います。

 

 

でも実際作品を発表するクリエイターにとっては

制作費が気になるところ。

 

 

CDプレスの方が安いのか

はたまたCDケースにカードを入れて、自分で組み立てる方が安いのか

気になるところです。

 

 

ということで、ザッと計算してみることにしました。

条件は以下の通り

 

 

枚数:200枚(委託販売も視野に入れて)

曲数:7曲

歌詞カード:6P(カードの場合は歌詞カード付けないので2P)

プレスは海外プレス

デザイン料はここに含まない

 

 

僕がCDを作る場合、印刷の質にもこだわりたいので

激安のプレス会社には頼みません。

イラストレーターさんにも申し訳ないですし。

 

 

ということで、今回は

プレス業界で一番印刷が綺麗と言われている?

at greenさんのところにプレスをお願いしたという設定にします。

 

 

at greenさんのホームページを覗いてみると

海外CDフルパックというセットが今回の条件に合いそうです。

 

 

CDプレス+ジャケット3点(バックルも含む)

+10mmケース+キャラメル包装の6P、200枚だと

63,800円ですね。

 

 

送料は込みですが、約60,000円と

僕のような学生にとっては割と高額です。

 

 

はい、それじゃあカードにして

自分でケースを組み立てた場合はどうなるのか

見ていきたいと思います。

 

 

まずConcaカード(0.3mm)で200枚頼み

配信ファイル数を3個、配信ファイルを512MBまで、

配信期間1年というオプションを付けます。

 

 

この時点で34,754円

いきなり雲行きが怪しくなってきたぞ 笑

 

 

さらにそこにジャケット印刷を

SOUND PRESSという会社で依頼。

 

 

歌詞カードはPDFファイルにまとめようと思っているので、

2Pの両面カラーで頼みたいと思います。

プラス11,140円

 

 

アマゾンで10mmのCDケースを購入。

プラス6,980円

 

 

CDケースの包装紙として透明OPP袋(1セット100枚)を購入。

350円(送料込)×2=700円

 

 

これら全てを足すと

53,574円になりました。

 

 

CDプレスをするよりもカードにすると

10,226円安いということが今回分かりました。

 

 

でも正直、全然変わらないといっても過言ではない価格差ですね。

例えば今回カードの厚さを0.3mmで計算しましたが、

0.5mmにするだけでさらに10,000円くらい跳ねあがってしまいます。

 

 

そうなるとCDプレスとの価格差は無くなる…

というかカードの方が若干高くなります

 

 

また今回調べていて、枚数が300枚、400枚…と上がれば上がるほど

CDプレスの方が安いということが分かりました。

 

 

例えば300枚の場合のCDプレス代は68,800円です。

カード(0.3mm)の場合だと本体だけで、50,414円。

そこにジャケット代(300部)の14,750円、ケース代の10,960円…と

この時点でプレス代を上回ってしまいます

 

 

逆に少ない枚数の場合(100枚)、CDのプレス代が59,800円で、

カードの場合は、カード本体19,094円+ジャケット7,570円

+ケース3,980円+包装紙350円の計30,994円という結果になりました。

 

 

少ない枚数の場合は

28,806円の価格差が生まれるということが分かりました。

 

 

ちなみにここで出した計算は、

見た目をCDそっくりに仕上げるという前提のもとに出しているので、

カード本体のみでの頒布の場合はもっと予算を押さえることが出来ます。

 

 

カード本体のみでの頒布の場合は

0.3mmだとペラペラすぎる(テレカ的なイメージ)ので、

0.5mmや0.7mmにしても良いかもしれません。

 

 

まとめ

というわけで今回、どうすればダウンロードカードで

曲を販売するのは受け入れられるのか?というテーマのもと

色々な考察とともに記事に書いてみました。

 

 

これらから分かったことは、

・ダウンロードカードは納期などクリエイターに優しい点が多い

・ダウンロードだとリスナーが曲を取り込むのがちょっと面倒

・見た目をCDそっくりに仕上げた場合は、少ない部数のときはカード、

多い部数のときはCDプレスで作った方が経済的…etc

 

 

というようなことでした。

恐らく世の中の流れ的に今後どんどんダウンロード販売が増えていく

と思いますが、会場で頒布するなら見た目は大事です

 

 

あと15年位はM3などの会場で

CDを売っているサークルさんも全然いると思います。

CDは見た目のコンテンツも含めて魅力的ですからね。

 

 

ここまで書いてきての僕の個人的な意見としては、

会場で売る用のカードを少数発注して、その他はダウンロード販売する

というのが一番経済的で良いかなと思っています。

 

 

経済的なのもそうですが、何より場所を取らない!

これ本当大事です。僕の生活スペースは6畳くらいしかないため、

あまり多くの在庫は抱えられないのです…。

 

 

でもリスナーさんはカードだとやり辛いんだろうなぁとか

思ってしまいます。

でもプレスはお金もかかるので、社会人になってから検討しようかな…笑

 

 

はい、そんな感じで僕なりのダウンロードカードに対する考察でした。

もしこれからダウンロードカードでの頒布を考えているサークルさんなどが

いれば、参考にしていただけると嬉しいです。

 

 

それではまた次回!

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